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2017年5月24日水曜日

「太平洋の土下座」ルール調整の提案

「太平洋の土下座」のプレイ報告を専門SNSやブログ、ツイッターなどで見る機会が増えてきました。
プレイして投稿していただいた皆さん、ありがとうございます。
そのなかで、現在「トラック島5ターン陥落問題」が浮上しています。
その対策として、取り急ぎ以下のルールを提案いたします。

「米CVユニットは第5ターン以降も航空戦力は1」

米空母航空戦力の第5ターンルールは米軍増援戦力を史実に近づけるために追加したものですが、効果が強すぎたようです。

デザイナーの意図としては「トラック島にそびえるハイスタックはまともにぶつかっても崩せないので、周辺エリアに迂回して攻勢をかけて、日本軍兵力を分散させる」という姿を期待していたりします。日常多忙で未だ検証不十分ですが、初期から中期のテストプレイではこの状態で最終ターンまで点差が開かない展開でした。

それから、「4人対戦ではエリア占領がポイントに結びつかないので戦略級として違和感を覚える」という意見もありました。こちらについては、以下のルールを試してみてください。

「占領しているエリアについて戦闘担当プレイヤーは面目ポイントを1得る」

以上、フィードバックに対応したルール調整のご提案でした。

2017年5月15日月曜日

「太平洋の土下座」(RTM版)でルール追加

「太平洋の土下座」(RTM版)で早速ルール追加です。

2.1 カウンター

 ルール記載の説明で掲載が抜けている段落があります。2.1の説明文で最後に以下の説明を加えます。

「米海軍CVユニットの一部では航空戦力に2つの数値を記載しています。これは、第4ターンまでは「1」、第5ターン以降は「2」として扱います。

「“海運級”太平洋戦争」「太平洋の土下座」これからの販売予定

ゲームマーケット2017春でジブセイルゲームズのブースにご来場いただきました皆さん、ありがとうございました。
そして、「“海運級”太平洋戦争」「太平洋の土下座」ご購入いただきました皆さん、本当にありがとうございました。
皆さんのおかげをもちまして、両ゲームとも持ち込み分「完売」いたしました。



これからの販売予定につきまして、以下の通りご案内いたします。
通販もできるようになりますので、
【オークションの高額転売】
を購入する必要はありません。

●委託販売

・「ボードウォーク岡山」さんで取り扱いがあります。
オンラインショッピングサイト「iOGM(インターネット・オンライン・ゲーム・マーケット)」(http://www.boardwalk.co.jp/iogm/)で近日購入可能になる予定です。

・(交渉中)「小さなウォーゲーム屋」に取り扱いを依頼中です。
通販専門ショップ(http://petitslg.shop-pro.jp/)で近日購入可能になる……かも。


●イベント販売
次のイベントでブースを出展します

【書泉ミリタリーマーケット5】
6月3日(土)書泉グランデ7階
ジブセイルゲームズでブース参加

【浅草ボードゲームフリーマーケット】
7月2日(日)東京都立産業貿易センター台東館7階

【東京ボードゲームコレクション2017】
8月13日(日)東京都立産業貿易センター台東館


2017年5月13日土曜日

「太平洋の土下座」“真のコンセプト”が明らかに

太平洋の土下座(以下、DGZP:DoGeZa in the Pacific)は、アバロンヒルが35年以上前に発表した「Victory in the Pacific」(以下、VITP)の影響を強く受けてデザインした太平洋戦争を扱う戦略級ボードウォーゲームです。VITPはシンプルで扱いやすいルールと良好なゲームバランスで高い評価を得ており、米国では今でも全国規模の大会を行っています。
DGZPは、VITPをさらに“軽く”するためにユニットの数を抑え、戦闘処理の手間を減らしています。VITPでは空母戦艦重巡洋艦まで1隻1駒だったのをDGZPでは空母戦艦までの戦隊単位とし、占領マーカーは「生き残っている駒」を使うなどの変更によってマーカー含めて全部で50駒にまとめました。
ターン進行は「移動→戦闘→点数集計→帰港/再配置」で、戦闘処理はVITPが攻撃するユニットごとに戦力の数だけダイスを振り「6が出たら命中」としていたのを、DGZPでは、戦闘に参加するユニットの戦力合計とダイスを“1個”振って出た目を足し、その数を比較して多い側が少ない側の駒を1つ除去します(俗にいうガザラ方式)。
元コマンドマガジン編集長(今は黒幕)にて現盆栽ゲームズ主任デザイナーの中黒氏撮影によるテストプレイ中の「太平洋の土下座」(中黒氏のブログ「ソークオフだよ人生は(ほぼ日刊ウォーゲーム情報合併中)」より転載)
このように、VITPからシステムがさらにシンプルになったDGZPですが、一方で、日本軍が動かす空母、戦艦、陸軍部隊の合計を日本が占領している南方エリアから得るポイントの数までに制限する「日本軍の資源問題」も導入しています。また、戦艦の利用価値はVITPと比べてがくっと下がり、基地航空隊の影響力はぐぐっと上がるなど、太平洋戦争の力関係をVITPより史実に近くしています。
ただ、
VITPの軽量化がDGZPの最終目的ではありません。あくまでもこれは手段にすぎないのです。もともと、DGZPを着想するきっかけとなったのは、同じ太平洋戦争の戦略級ボードウォーゲーム「“海運級”太平洋戦争」のデザインで、「どうやったら米軍をフィリピン攻略に誘導できるんだ……」と悩んだときでした。「レイテ沖海戦」で代表される1944年10月からのフィリピン作戦は軍事的には全く無意味とされています。実施した理由はただ一つ、マッカーサー陸軍大将の面目のためだけ。
面目のためだけ? ならば、日米それぞれで陸軍担当海軍担当プレイヤーを用意して、4人が自分の所属する組織の「面目」「プライド」を競う仕組みにしたらいいのでないか。
陸海軍の確執を「会議室レベル」で再現したカードゲームもいろいろありますが、DGZPでは陸海軍の確執が戦場に及ぼす影響を体感できるはずです。陸海軍とも敵部隊を撃滅して自分が所属する組織の面目を上げていきます。しかし、自分の部隊だけで戦えればいいのですが、そうもいかず、海軍が敵の陸軍がいる拠点を攻略するには陸軍に「土下座」して陸軍部隊を借り、陸軍が敵の艦隊がいるエリアを攻略するには海軍に「土下座」して艦隊を借りることになります。

こうして面目を上げたり下げたりして戦争を戦い抜き、終戦後に最も面目の上がっていた組織が勝つという、ある意味戦争の本当の姿を顕在化してしまうのが太平洋の土下座をデザインした「真のコンセプト」だったりします。VITPのコンパクト化は「マルチ部分に注力するため戦闘パートは極力軽量にしてプレイヤーの負荷を減らす」ための選択すぎません……とはいえ、テストプレイでは二人対戦も楽しんでもらえていたようです。
二人で対戦するVITPミニもよし
四人で対戦するVITPマルチもよし
そんな太平洋の土下座で一人でも多くの人がこの興味部がいボードウォーゲームの世界に足を踏み外しますように


2017年5月12日金曜日

カウンターシートが間に合ったああ!&頒布価格ようやく確定

ボードウォーゲームといえば厚紙でできた駒。1つのウォーゲームで100個とか200個とか駒がつくので、通常1枚のシートにつなげた「カウンターシート」の形で用意します。ウォーゲームプレイヤーにとって製品を購入して始めに行う儀式が「カウンターシートから駒を1つ1つ切り離す」作業になります。面倒に思うかもしれませんが、これが意外と「至福のとき」だったりします。
ただ、このカウンターシートを作るのはとても大変です。
1.厚紙を張り合わせて、
2.駒を印刷した紙を表裏に位置を正確に合わせて張り合わせて、
3.駒のサイズと位置に合わせて刃を用意かつ切り取りやすいサイズや位置に細いつなぎを設けた抜き型を作って、
4.印刷物と抜き型を正確に位置合わせして、
5.大掛かりな型抜き機で一気にザクッ!
といった工程が必要です。
個人で作るのはほぼ不可能で、同人レーベルのウォーゲームでは駒を印刷した紙を用意してユーザーにカットしてもらうか、あらかじめカットした駒を用意することがほとんどでした。印刷所や紙加工メーカーでも企業向け大ロットなら対応できても個人向けの小ロットサービスを提供しているところはほとんどありませんでした。小ロットで対応してくれる数少ない印刷屋さんが萬印堂さんで、同人レーベルのウォーゲームの多くが萬印堂の「50駒カウンターシート」を採用しています。角丸14ミリサイズで厚さ2ミリの駒は“趣き”があっていいのですが、つなぎが弱くて外れやすいため販売前に駒がシートから外れてばらばらになるのが難点でした。
そこで、ジブセイルゲームズでは名古屋の紙加工メーカーで個人向けの小ロット案件にも対応している「盤上遊戯製作所」に相談して抜き型を新たに作成していただき、ボードウォーゲームで採用例の多い「15×15ミリサイズで厚さ2ミリ」の198駒カウンターシートを“急きょ”用意してもらいました。
そのカウンターシートがなんとかゲームマーケット2017春に間に合いました(なんと納品は開催四日前)。よかったあああああ! そのカウンターシート(の一部)がこちらです。
“海運級”太平洋戦争カウンターシート
「太平洋の土下座」カウンターシートでサイズは20×20ミリ
ボードウォーゲームの駒は記載している情報が多く、縁ギリギリまで印刷領域が迫っているおかげで、印刷や型抜きには高い精度とていねいな作業が求められます(実際、最初に依頼する予定だった印刷所は対応不能と断っている)。盤上遊戯印刷所では、この困難な依頼に精度の高い加工で対応してくれました(個人向け小ロット案件なのに)。そのおかげで、同人レーベルのウォーゲームながら、(デザインセンス以外の印刷加工精度で)企業品と同等のカウンターシートを用意できました。つなぎの位置とサイズもコマンドマガジンやゲームジャーナルの付録とほぼ同じです。
というわけで、カウンターシートが間に合ったおかげで、なかなか決まらなかった頒布価格がようやく確定しました。

・“海運級”太平洋戦争 RTM版:頒布価格 3000円
・太平洋の土下座   RTM版:頒布価格 2000円

以上になります。
ジブセイルゲームズのブースでカウンターシートの実物も展示していますので、ぜひ手にとってその加工技術クオリティを確認してみてください。自作の必要がないので、購入したらすぐにゲームを始めることが可能です。

2017年5月10日水曜日

“海運級”太平洋戦争の「ルール概要」と「輸送船が主役」の理由

ガダルカナルを攻略しようと思ったら、日本軍は本土からガダルカナルまでA船を並べて重ね、艦隊が出撃するトラックまでB船を並べて重ねる。重ねた枚数がそれぞれ陸軍部隊の戦力となりトラックから出撃できる空母と戦艦のユニット枚数になる。ただし、日本軍は既にA船とB船で16枚の輸送船団ユニット(輸送船団ユニットは表がA船で裏がB船)を使っている。日本の輸送船団は最大24枚しかないので南方から資源を運ぶC船は8枚しか残っていない。日本の資源を維持するためには最低でも12ユニットをC船に割り当てなければならないのだ

 “海運級”太平洋戦争は、「六角形のマス(ヘクス)を並べたマップ」「戦闘はダイスを振って戦闘結果表で確認」という、皆さんが「あー、そうそうこれこれ」とイメージしている典型的なボードウォーゲームの作法でデザインしています。最近のプレイしやすさを重視した作品で採用例の多い「(カードドリブンやイベントカードなどの)カードを使うルール」「点を線で結んだ(ポイントツーポイント)マップ」「エリアで区分けたマップ」などは採用していない、ある意味「古典的」なルールです。
 ゲームはターン制で、1ターンは「増援編成」「配置/移動」「戦闘」「ターン処理」を繰り返して進みます。戦闘処理も標準ルールだけならば「戦闘に参加する駒の戦力を合計した攻撃力」と「ダイスを1つ振って出た目」を戦闘結果表に照らし合わせて、命中した数を求め、命中した数だけ損害の程度を決めるダイスを振るだけです。ルールに慣れてきたら、実際の海戦などで影響のあった要素(索敵や対空戦闘や揚陸船団に対する戦術的攻撃などなど)を少しずつ導入できます。
 太平洋戦争で重要な「補給」ルールも「輸送船団を“並べる”」「輸送船団を“重ねる”」だけで再現しています。物資を送り出す補給源から補給したい陸軍部隊や港湾があるヘクスまで輸送船団ユニットを「並べ」、送ることができた物資量は目的のヘクスに輸送船団ユニットを重ねることで示します。“海運級”では、送られた物資量=目的へクスに重ねた輸送船団の枚数が陸軍部隊の戦力値や港湾から出撃できる主力艦の数(日本軍だけ)になります。
 日本軍も連合軍(特に前進基地「Base Force」が登場する前)も輸送船ユニットの数は限られているため、補給源から遠い目的ヘクスに送ろうとするとヘクスをつなぐだけで輸送船ユニットを消費してしまい送ることができる物資量=重ねることができる輸送船ユニット数は少なくなります。日本本土もしくは米拠点から遠く離れた島を攻略するのが難しいことが輸送船ユニットの数で“いやでも”体感できるでしょう。
 加えて日本軍は、ただでさえ足りない輸送船ユニットを、「陸軍部隊に補給するならA船」「港湾にいる艦隊に補給するならB船」「南方資源を日本本土に還送するならC船」に使い分けなければなりません。陸軍海軍のために輸送船をごっそり「並べて」「重ねる」と、資源を日本に運ぶC船が必要量確保できずません。戦争が終わる前に日本が備蓄している物資が枯渇したら日本は戦争に負けてしまうのです。
 「輸送船の割り当てて陸軍と海軍のお偉いさんが殴りあった」という逸話も「いやそれはむりない話よねー」と一人でも多くの人が納得してこの興味深いボードウォーゲームの世界に足を踏み外しますように。

「太平洋の土下座」カバービジュアル公開です


このボードウォーゲームは、アバロンヒルの名作「Victory in the Pacific」の影響を強く受けて誕生しました。オリジナルに対する敬意はカバービジュアルからも感じていただけるでしょう(おいちょっとまて)。
“土下座”では、オリジナルのシンプルなコンセプトは残しつつ、海洋主体の太平洋戦争の特徴と日本のロジスティック問題を取り入れ、さらに、日米海陸軍それぞれを4人のプレイヤーで受け持つマルチルールの導入で「戦争末期にフィリピンを目指す米軍」を無理なく再現しています。
「陸軍としては海軍の提案に反対である」を会議室の駆け引きとして体感できるボード(カード)ゲームも数多くありますが、戦場における「陸軍と海軍の確執」を“土下座”で一人でも多くのボードゲーマーに体感してもらえますように。